実践あれこれ 〜こんなことやってきました〜
 授業づくり
 私たちが授業づくりをする時には、子どもが自ら「もっと学びたい!」と思えるような授業を展開していきたいと考えています。ですから、子どもたちの興味関心を見つけ、そこに成長への願いを込めて授業を組織してきました。
 授業の中には、子どもの発達に必要な課題をちりばめ、その子が自ら判断して身に付けていくことを大切にし、できるだけ子どもたちが自分でつかみ取れるようにしています。ですから、その授業の内容や展開によっては、椅子に座って机に向かうという固定的なスタイルにとらわれることなく取り組むことも多いです。
 
 さらに、学校だからこその「集団」を大切にした授業を展開してきました。そこでは一人ひとりが個人的に学ぶだけではなく、お互いがぶつかり関わり合って成長していくような授業づくりをしてきました。学校から社会に出て行くことを見通した時、やはり集団の力(集団につながる力)はどうしても欠かせないものと考えます。人は一人では生きていけないのです。仲間と共に楽しく学び成長していってほしいです。
 また、私たちの授業では、「あそび」という形態を使うことも多いです。「遊ぶことは学校ですることではない」という考えもあるようですが、授業を組織する中で「あそび」という形態は子どもにとって意欲的な活動につながることが多いと、実践に取り組む中で感じています。

 各学校とも教育活動の全体をみてみると、大きな違いはありません。どこでも交流教育があり、教科教育があり、遊び活動があり、行事があり・・・と、ひととおりのことは行われています。
 さらにどの活動に重点をおいて指導しているかという細かな時間配分、内容をみていくと、その学校や学部などの特色がみえてくることになります。
 どの学校もそれぞれの活動に精一杯取り組んでいると思います。その中でもこれらは指導上欠かせないと、私たちが大切にしている取り組みが「集会」、「教科」、「クラス」の3つです。
 教育実践においてこれら『3つの取り組み』は、互いに深く関連しながら個々の力を伸ばしていくことになります。どれもが欠かせない大切な取り組みなのです。
 次から紹介する活動は、まず「集会」からとします。ここには、私たちが積み重ねてきたポイントとなる考えや工夫が集積されているからです。次に、日常的に行なわれている「教科」そして、「クラスの取り組み」の項としました。

1.集会の取り組み
 小学部高学年の友だち全員が一同に会する「小高集会」は、子どもたちがクラスの枠を越えて、ひとつになって楽しみます。学校でしかできない、ダイナミックで期待いっぱいの取り組みです。大好きな先生も一緒だよ。仲良しの友だちもいる。だから楽しくなっちゃう・・・。
 集会の大きな取り組みが、身も心もゆさぶり、遊びきり、クラスの枠を越えた集団の中でも力が発揮され、ひとまわり大きな人格の豊かさを育てていきます。
2.教科への取り組み  クラスで朝の会をした後は、教科学習として「発達課題別グループ学習」が組まれています。
 子どもの発達はやはり、しっかりした課題をとらえた指導の中で促されます。どの子もクラスではみせない(?)真剣さと頑張りをみせています。
3.クラスの日の取り組み  クラスごとに弁当をもって出かけたり、集会のミニ版をしたり、季節行事をしたり・・・・。
 人と関わることが苦手な子が多いです。人とのやりとりの楽しみや言葉の理解、イメージする力に弱さがあるためです。だからこそ、少人数でじっくり子どもと向かい合い、人格的な豊かさを育てる時間として大切にしています。
 実践のまとめにかえて
 実際に課題がつかめていてもさらにまた実践づくりの悩みはつきません。
 実践は、同じものをやってもやる人によって違います。その実践が子どもの課題にあっているものとわかっていても、同じ教科書をつかっても指導者によって違うのと同じで、そのままかりてきてもやはりうまくいかないのです。「この花は植えれば放っておいても育つよ。簡単」と言われても、その人と同じようにはやっぱり育ちません。その微妙なところは、どうしてもやる側は伝え切れません。私にはできても同じように他の人ができるとは限らないのです。土も違えば日当たりも違う水揚げ具合も違うのです。目の付け所というか、ただ植えておくだけといっても、それはそれなりにコツというものがあるわけです。
 それでも、やはりアイディアは借りながらも、“これは!”と思うものがあったら、どんどんやってみましょう。あとは、常に子どもに学び修正していけばよいのです。子どもに合わせ、実践をする。つまり、目の前の子たちにあわせた指導、展開がされていくことがすでにその時点で独自のものとなっていきます。実践創りは悩みや苦労がつきませんが、そこに面白さもあるのです。
 指導力や実践を引き上げるのは、子どもが好きであること、少しでも子どもを伸ばしたいという共感的愛情の存在です。それが教育実践を独創的なものにし、その子に合わせた知的な能力だけでない“丸ごと”の人間を伸ばしていく独自の実践になると私たちは信じています。

Copyright 2001 笑顔に会いたくてAll rights reserved.